病院で処方される血栓症の薬にはどんなものがあるのでしょうか?
主に使用されているのは、血液の固まる働きを抑える“抗凝固薬”や血小板の働きを抑える“抗血小板薬”、血栓を溶かす“血栓溶解薬”などです。
<抗凝固薬>
ワルファリン、ヘパリン、低分子ヘパリン、アルガトロバンなど
凝固因子が肝臓で生成される時に必要とするビタミンKの働きをおさえることで血を固まりにくくするものと、血液中の凝固因子の働きを抑えるアンチトロンビンIII等を活性化させることで血を固まりにくくするものとがあります。
前者のワルファリンは経口投与可能ですが、作用が安定するまでに時間がかかります。
後者のヘパリンは即効性がありますが血管投与が必要です。
<抗血小板薬>
アスピリン、チクロピジン、シロスタゾールなど
血小板は赤血球の1/10の容積で、その表面には血液中や血管にある様々な物質と結合する受容体と呼ばれる分子が存在し、複雑に反応しあって働きが活発になります。
そして、血管の傷ついた場所にお互い結合し血栓をつくります。
抗血小板薬の中で代表的なものはアスピリンで、血小板の働きが活発化するのを抑え、血栓をできにくくします。
最近では、血小板凝集の最終段階である血小板膜GP(グリコプロテイン)II b/III a へのフィブリノーゲン(凝固因子)吸着を抑える薬剤の研究がなされています。
<血栓溶解薬>
血栓溶解薬は血栓を溶かす薬で、病気の発症から投与までの時間が短ければ短いほど効果を発揮します。
しかし、出血を止めてある血栓までも溶かす可能性もあり、使用には細心の注意が必要です。
血栓溶解薬には下記の3つの種類があります。
それぞれの薬には副作用があるという事を十分に知っておかなくてはいけません。
必ず医師の指示に従って、正しく服用しましょう。
血液の凝固因子ができるしくみを阻止することで血液を固まりにくくし、血栓症の治療・予防に有効ではありますが、逆に止血しなくてはならない部分も血液が固まりにくいということに他なりません。
体質によっては、じんましん、下痢、吐き気、肝機能障害が起きることもあります。
また、歯科治療の際にはワルファリンや少量のアスピリンを服用していることを歯科医師に伝え、場合によっては主治医と連絡をとってもらい、ワルファリンなどの服用量を調整しながら歯科治療を受けることも必要になるでしょう。
食べ物にも注意が必要で、抗凝固薬を服用している場合には、緑黄色野菜類、青汁等のビタミンA・ビタミンEを多く含むものや、納豆等の納豆菌やビタミンKを含む食品、クロレラ等の摂取は控える必要があります。
血栓溶解薬は出血性合併症を引き起こす副作用があるので、内出血のある患者、大動脈瘤の疑いのある患者、糖尿病性出血性網膜症の患者には使用できません。
薬を使用する際は医師の注意をよくきき、ほかに飲んでいる薬があれば必ず相談しましょう。
妊娠中には使用を禁止されているものもあります。